Hospice Care
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ホスピスビジョン
楓の風が目指すホスピスケア
高齢になること、障害を抱えること、そして残された命が短い時に人は大きな苦しみを抱えます。この苦しみは、自分が描く自分の姿や自分の未来、自分の価値という主観的な思いと、現実として、客観的事実として存在する手足の不自由、痛みの間の隔たりによりもたらされると言われています。これまで、医療はこの客観的な現実を改善することをめざし進歩してきています。しかし、残念ながら加齢を止めることはできません、完治できない障害もあります、そして永遠の命もありません。高齢となること、障害を持つこと、末期であることは、いづれすべての人が必ず通る道です。この道を価値ある道とすること、そしてすべての人には、自分の力で最期まで生き切る力があるということを私たちはこの7年間の500名の看取りから学びました。
楓の風ホスピスケアの4つの力
山を登るのはあなたと家族。
私たち看護師はプロフェッショナルなシェルパでありたい。
キュア
キュアとは、治療、治癒、対策、解決策という意味です。末期となり病気が完治しないという状態にあっても、適切なキュアは大切です。適切な疼痛コントロールのための薬剤は本人、家族の希望する生活の在り方の中で検討され導入されることにより効果的な除痛を叶えます。看護師はこの「本人、家族の希望する生活の在り方、人生のあり方」というビリーフをナラティブにとらえることにより適切なキュアを導く力となります。これは山登りに背負うバックパックの荷を軽くすることになります。
ケア
ケアとは、世話・介護・看護など,医療的・心理的援助などその意味は広く多様です。末期の状況に対して身体ケアをするのはもちろんですが、それはケアのごく一部に過ぎません。シェルパとして共に歩くものだからこそ、これまでに登った山道を共に振り返り、この頂から見る景色を共に眺め、患者が自分の人生の意味や意義に気付く内省を共にすることができます。そしてその内省は、患者、家族の力をエンパワメントすることになります。
環境調整
同じ山を登るのにも、道は1本とは限りません、看護師の持つ知識、技術、経験を最大限に活用し暗い夜道の一歩先の足元を照らしたり、時には緩やかさ坂道を選んだりすることができます。医療とのかかわり方、介護サービス資源の投入、福祉用具の活用、家族介護体制の調整など、ハード、ソフト両方の環境整備をすることにより、限られた時間の生活は変わります。
仲間を増やす
その山登りが一人きりのものであったなら、その山登りはさらに辛く苦しい物となります。時には背中を押し、時には声をかけ、時には共に歌を歌いながら山を登る仲間がいることがこの山登りのつらさを軽減し、さらに仲間との交流という楽しみを与えてくれます。介護保険サービスに限らず、となりのおばさんや、生まれたばかりの孫みんなを山登りの仲間にしていくことです。
楓の風のホスピスケアチームの約束
- クライアント、全てのスタッフの平等
- クライアント、全てのスタッフの相互補完
- クライアント、全てのスタッフの共創
- クライアント、全てのスタッフに助言を求めるのを躊躇しない
- クライアント、全てのスタッフへの信頼を隠さずに示す
- クライアント、全てのスタッフが慎重な楽観主義である
訪問看護師の力「5つのC」
訪問看護は、臨床看護の出前ではありません。病院と同じ医療が家で行える安心を担保するものでもありません。訪問看護は、その人らしさを支える、人の人生に対する支援と考えています。地域包括ケア、地域医療介護を構築する要として訪問看護師は期待されています。そこで、私たち楓の風は、従来の臨床看護力に加え、訪問看護師の力「5つのC」を育み、発揮していくことを毎日の活動の中で実践し成長しています。
- 伝達
連絡
Communicate - 調整
Coordinate - 協同・共同
協力
Collaborate - 話し合う
相談・調べる
Consult - 育む
育成する
Cultivate
7つの共有
私たちは、在宅ホスピスケアのIPW ( Interprofessional work ) において、ここに参加するクライアント、
家族そしてすべての専門職は、医療情報の伝達に留まらない「7つの共有」を実践しています。
- 目的
- ケア情報
- 事務情報
- 相互の想い
- 相互の思考
- プロセス
- ナラティブ
※ナラティブは、直訳すると「物語」という意味です。
利用者様は、今は介護を必要としていても、それぞれ人生を生き抜いてきて、主役として光り輝いていた時期があります。再び主体性を持って輝いていただくためにも、その人の人生の物語を話してもらうことで、相互理解を深めることが重要になるのです。